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キング・オブ・スウェット Champion(チャンピオン)

スタイルレシピ

先ずは知っておきたい、「スウェット」「トレーナー」の違い

「トレーナー」と「スウェット」よく耳にするこの2つの言葉。
同一のものと思われがちだが、そもそも「スウェット」とは生地を意味する。
日頃「スウェット」と呼んでいるものは正確にいえば「SWEATSHIRT スウェットシャツ」のことで、これにフードが付いたいわゆる「パーカー」は英語圏ではフード付きを意味する「HOODED SWEATSHIRT フーデッドスウェットシャツ」であり、一般的には「HOODIE フーディ」と呼ばれる。

つまり、このスウェット生地を使ったプルオーバータイプの長袖シャツのことを「スウェット」と広く略して呼んでいるのだ。

では、「TRAINER トレーナー」とは何なのか。
スウェットシャツの和製英語が「トレーナー」なのだが、その生みの親は日本でアメトラを確立した「VAN ヴァン」の創業者 石津謙介氏だという。スウェットシャツが日本に登場したのは1956年。日本語訳で「汗のシャツ」という語感を嫌い、元々スポーツにおけるトレーナー(訓練者)がよく着ていたことから「トレーナー」と命名した。1961年から本格的に日本での製造・販売が開始されたことで「トレーナー」が日本で一般化したとされている。


そしてここからは、
1919年にアメリカで生まれ、第一線を今なお走り続け、不変のスタンダードかつスウェット界の絶対的王者「Champion(チャンピオン)」。その中でも、代名詞的プロダクツ「REVERSE WEAVE®(リバースウィーブ)」について焦点を当てて、特徴や、歴史を深掘りする。

「リバースウィーブ」は、とある“クレーム”から生まれた!?

転機は1920年代。ミリタリーアカデミーの訓練用にウール製ウェアが採用された。その優れた品質が瞬く間に評判を集め、他商品の製造・販売のオファーも増加。しかし、ウールは保温性が高く伸縮性に富む一方で、洗濯に費用と技術を要する上、高価なのが難点。そこで目を付けたのが、ケアしやすく安価なコットンだった。これに持ち前の技術を応用し、コットン性のウェアを開発したのである。

軽く快適で、安価。まさに革命的で、口コミで評判が広がった。そして、同社のスウェットシャツがミリタリーアカデミーや大学へ浸透していくこととなった。

ところが、「洗うと丈が縮んでしまい、着心地が悪い」というクレームが入る。
これが「リバースウィーブ」誕生のきっかけとなった。

当時のスウェットシャツが縮む主な原因はコットン生地にあった。コットン製のスウェット生地は縦編みされており、それを「縦向き」に配してボディを仕立てるのが一般的だった。しかし、縦方向に縮む性質があり、先のクレームのような不具合が生じた。そこで、縦編み生地を思い切って「横向き」にして仕立てることに。すると縮みを大幅に軽減することに成功したのだ。

そして1934年、リバースウィーブの原型が誕生。
「編み=WEAVE」の縦横の向きを「逆=REVERSE」という意味から「リバースウィーブ」製法と名付けられた。

ちなみに、生地方向の違いについては通常のスウェットシャツと「リバースウィーブ」のボディを見比べるとよくわかる。

-通常のスウェットシャツの生地方向-
-リバースウィーブの生地方向-

着心地と運動性を高めた「エクスパンションガゼット」

さらにもう1つの特徴として、身頃の両サイドに設けられたアイコン的存在「エクスパンションガゼット 」がある。これは縦だけでなく横方向への縮み対策として加えられたもので、リブを使用した事で伸縮性も向上し、一般的なスウェットよりもはるかに動きやすいと言うメリットも生まれた。

そして縫製には「フラットシーマ」を採用。その名前の通り凹凸の少ない縫い目で、縫代の不快な肌当たりを軽減。着用時の快適な着心地に成功した。

「エクスパンションガゼット」と「フラットシーマ」

生地の厚みと耐久性

スウェットは表裏二重構造の生地で、表面は「平編み」、裏面はタオルのような「パイル編み(裏毛)」、またはパイル編みを起毛させた「裏起毛」となっており、適度に厚みがあるのが特徴だ。
裏面がパイル地であれば汗を吸収しやすく春夏向け、裏起毛であれば保温性が高く秋冬向けともいえ、生地の厚みの差も考慮すればオールシーズンに対応しうる生地だといえる。

パイル編み(裏毛)
パイル編みを起毛させた(裏起毛)

「リバースウィーブ」の場合は「肉厚な裏起毛」を使用しており、元々トレーニングウェアとして開発されただけあって耐久性にも優れている。
ヴィンテージ市場でも人気度の高い「Champion」の「リバースウィーブ」。
何十年も前のものが良い状態で残っており、その事からも耐久性の良さがよくわかる。

機能的なデザインや耐久性、素材、縫製とディテールにこだわったアイテム。
さすが、キング・オブ・スウェット。創業から100年以上にわたって愛され続けるのにも頷ける。

ブームも相まって、バリエーションも豊富なスウェットシャツ。
Championはもちろん、その他のブランドにも注目してこの冬のお供にスウェットシャツを選んでみるのもいかがだろうか。